膣カンジダ症(カンジダ膣炎)の治療体験記

4月のはじめ頃に膣カンジダ症(カンジダ膣炎)を発症し、最近まで約1か月通院をして落ち着きましたので、治療体験談を掲載します。

膣カンジダ症とは

カンジダは真菌類といわれる「カビ」の一種で、人間の体にもともと存在している常在菌です。感染症にかかったときや妊娠したときなど抵抗力が弱まった際に増殖して患部に炎症を引き起こします。その症状が膣に起こった場合に膣カンジダ症(カンジダ膣炎)と呼ばれます。

常在菌が悪さをすることが原因なので、患部が性器であってもいわゆる「性感染症」とは違います。口や爪などに発症することもありますよ。

※参考:膣カンジダの原因・症状について解説(ロート製薬公式HP)

膣カンジダ症の症状

私は患部のかゆみや熱を持ったようなひりひり感、カッテージチーズ状のポロポロとした量の多いおりものが主な症状でした。かゆみはかなりひどくてあまり眠れなかったくらいです。

他の症状として外陰部や膣に白い苔のような付着物があったり、排尿時に痛みを感じる人もいるようです。

病院での診断・処置について

患部が膣のときは、受診先は(産)婦人科になります。

診断方法

診察で症状を確認し、内診でおりものや分泌液を採取してカンジダ菌が検出されるかどうかで診断されます。余談ですが病院に行く前に患部を鏡で見たら真っ赤になっていたので、素人でも明らかに病的なのがわかりました。そりゃあかゆいわけだ…

膣内の洗浄

診断時に内診台に上がった状態でしたので、そのまま膣内を洗う処置をしました。これだけでもかなりすっきりしてかゆみが解消されましたね~ちなみに数年後再発したときは比較的軽い症状だったせいか膣洗浄はしませんでした。症状によって処置の有無が決まるのだと思います。

薬の処方

膣カンジダ症治療のメインは薬物療法です。今回は5種類のお薬を処方されたので一例として紹介します。

オキシコナゾール硝酸塩膣錠

オキシコナゾール硝酸塩膣錠100㎎

オキシコナゾール硝酸塩膣錠は膣カンジダ症専用のお薬で、飲むのではなく膣に直接挿入します。今回処方された100㎎錠は1日1回使用します。

ちなみにこのお薬には600㎎という規格もあり、そちらは一つで1週間効果が続きます。600㎎の方が一回の使用で済むので楽な気がしますが、どうやら症状によって使い分けがあるらしく、そこは医師の判断になります。

挿入に痛みを感じたり、中に入れていること自体に不快感は特になかったですが、しばらくたつと薬の成分が体内に吸収されて、錠剤の成分がボロボロと出てくるので下着が汚れるのがちょっと難点でした。

プラノバール配合錠

カンジダと生理に直接の因果関係はありませんが、膣錠は生理中は使用不可(※経血と一緒にお薬も流れ出てしまい、効果が十分に得られない可能性があるため)なので、生理を止めるために処方されました。

プラノバールは卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)が組み合わされた中容量ピルと呼ばれるお薬で、女性ホルモンのバランスを調整する効果があります。今回は生理を止めるために処方されましたが、生理日の移動や避妊(緊急避妊も含む)、婦人科疾患の治療など様々な目的で処方されます。

塗り薬(抗菌薬とステロイド)

塗り薬はこちらの3種類が処方されました。

膣カンジダ症(カンジダ膣炎)治療に使った塗り薬「ラミシールクリーム・ゲンタシン軟膏・ネリゾナクリーム」

ラミシールクリームは抗真菌薬で、カンジダ菌に効くお薬です。ゲンタシン軟膏はカンジダ菌には直接効果がないようですが、炎症の原因になるその他の雑菌対策に処方されたようです。

ネリゾナクリームは炎症止めのステロイド剤です。ステロイドには強さが5段階ありますが、ネリゾナクリームは上から2番目の強さで、通常陰部のような皮膚の薄い箇所への使用は推奨されていません。ただし今回は炎症がかなりひどかったので、すみやかに鎮めるために医師の判断で処方されたようです。

その後の経過観察

前述の通りカンジダはもともと体内に存在する菌なので環境が整えば簡単に増殖するため、再発しやすく治りにくいのです。そのため先生の指示で1週間に1回通院し、経過を見てもらっていました。

お薬については膣錠は3週間使用し、塗り薬は最初の1週だけ3種類使いましたが、それ以降はラミシールだけでOK。症状がぶり返したらほかの薬も使うよう指示されました。

1か月たって1週間おきの通院は終了。ラミシールだけは継続して、それがなくなったら再度来てくださいとのこと。結構長かったです…

再発時は市販薬で治せます

カンジダの治療は再発の場合に限り市販薬で行うことが可能です。膣カンジダ症は症状が特徴的で経験があれば素人でも判断しやすいですし、産婦人科は予約制ですぐに受診できないことも多いのでありがたいです。

薬はどこで購入できる?

市販薬には分類があり、「要指導医薬品」と、それ以外は数字で第1~3類までに分けられています。このうち要指導医薬品と第1類医薬品は取り扱いに特に注意が必要なため、必ず薬剤師さんが販売することになっています。

カンジダ治療薬は第1類医薬品に該当するので、確実に薬剤師さんがいる調剤薬局調剤コーナーがあるドラッグストア等で購入します。(※「薬局」という名称は薬剤師が常駐する店舗しか使えないので、それも見分けるポイントです。)とはいえ薬局なら必ず在庫しているわけではないため、購入前に電話等で確認することをおすすめします。

またドラッグストアだと調剤コーナーが営業している曜日・時間帯以外は薬剤師不在ということもあります。例えば店舗は24時間365日営業しているけど、調剤は平日9:00~18:00だけというパターンです。これも事前に確認することをおすすめします。

店舗側には薬剤師が必ず説明を行うことと、購入者の情報を記録する努力義務があります。ちょっと面倒ですが間違った使い方をするとリスクが高いお薬なので、薬剤師さんに協力してあげてください。

※参考:医薬品販売制度に関する資料(日本薬剤師会)

通販では購入できない?

通販でも購入可能です。ただし上の項目で説明した販売時の原則は通販でも適用されるので、メールや電話を使って何度かやり取りをする必要があるそう。届くまでにタイムラグもあるので使い勝手は悪いかな…

市販薬の種類

私が調べた範囲では以下の銘柄があります。

メーカーによって有効成分が違うようですが、どれを使っても問題ないと思います。

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