マカのサプリと排卵の遅れの関係性について調べてみた

2人目の妊活のためにクロミッドを飲んで排卵日を調節していたことがあったのですが、たまたま家に余っていたマカサプリを飲んでしまったら、予定通りに高温期に入らないという体験をしました。

結局5日遅れで高温期に入りましたし、マカを飲んだのは2回だけだったのでそこまで影響があるのかと自分でも半信半疑でしたが、普段と違うのはマカを飲んだことだけだったため、一応調べてみると排卵が遅れたり今まで正常だった生理周期が狂ったという体験談が結構見つかりました。

そこでマカが女性の体のサイクルにどのように影響を及ぼすのかを自分なりに調べてみました。

マカの効能・その根拠について

マカといえば思い浮かぶのは男性の「元気」さをアップする効能です。こちらは、精子の質をアップさせるといわれるアルギニンと、性欲を高めるグルコシノレートいう成分によるものと考えられています。

一方女性向けの効能として主なものは、更年期障害の改善や美肌効果です。(※参考サイト:マカ|成分情報|わかさの秘密(Powered by わかさ生活))リンク先のサイトを見ると、美肌効果については上述のアルギニンが成長ホルモンの分泌を促し、老化で衰えた新陳代謝を促すというメカニズムに言及されていますが、更年期障害を改善するメカニズムには触れられていません。

更年期障害の主な原因は、女性ホルモン(エストロゲン)が大きくゆらぎながら低下していくこととされています。(※出典:日本産婦人科学会公式サイト)だとすると、マカにはエストロゲンに似た働きをする(あるいは分泌を促す)成分が含まれているため更年期障害が改善するのでは?と推測されます。

さらに調べてみると、マカに関する研究結果を掲載したページを発見しました。以下、サプリメントを販売する株式会社ヤマノという企業のプレスリリースから一部抜粋しています。

マカはストレスなどで低下する排卵誘発時の黄体形成ホルモン分泌を促進させることが明らかになりました。このことからマカは排卵機能の低下、それに起因する不妊症への効果を期待できる食品であると確信しました。(※全文はこちら

上記の通り、マカは黄体形成ホルモン(LH)の分泌を促進させるとのことでエストロゲンは無関係なのかと思いましたが、排卵の仕組みを調べてみると以下の通り、

主席卵胞が20mm位に発育すると卵胞からエストロゲンがたくさん分泌されることで、卵胞が十分に発育したとからだが判断し、LHの濃度が急激に高まり(=LHサージ)、卵子は成熟し排卵が起こります。(出典:不妊College/女性の生殖器の機能

「エストロゲンの増加」の結果「LHの分泌が促進される」という因果関係になっているため、サプリ会社のマカについての研究結果は、「マカがエストロゲン様の作用を持つ」という推測の裏付けになりそうです。

マカで排卵障害が起こる理由の推測

マカにエストロゲンのような作用があるという推測をもとに、それがなぜ排卵障害など女性のサイクルに影響を及ぼすかを考えてみます。

女性ホルモンにはエストロゲンともう1種、プロゲステロンが存在し、この2つが交互に増減を繰り返すことでバランスを保っています。

具体的には、低温期(卵胞期)にはエストロゲンが増加し、排卵とともに減少し、高温期(黄体期)になるとプロゲステロンが増加するサイクルで排卵や生理が起こるのですが、エストロゲンに似た働きをする(もしくは分泌を促す)成分を摂取することでエストロゲンが常に過剰な状態になってしまい、このサイクルを崩してしまうと考えられます。

例として、かつてバストアップに効果があるとして話題になったプエラリア・ミリフィカのサプリで、月経不順や不正出血等女性特有の生理作用に影響を与える副作用が多数報告されました。このプエラリア・ミリフィカは、塊根の部分に植物性のエストロゲン様成分が含まれていることが確認されています。

プエラリア・ミリフィカの健康被害について、厚生労働省の公式資料で検証内容が公開されています。

◆参考資料:プエラリア・ミリフィカを含む「健康食品」について(PDFファイル)

また、日本医師会もかなり大々的に注意喚起を公式サイトに掲載しています。(参考サイト:「プエラリア・ミリフィカ」を含む健康食品の使用にご注意を!

マカがプエラリア・ミリフィカ同様にエストロゲン作用を持っているとすれば、上記リンク先に記載されたような健康被害が起こる可能性が高く、実際私の身に起きた症状とも矛盾はありません。ではなぜマカは問題になっていないかというと、基本的に男性向けサプリとして販売されているからです。そもそも女性が飲むことが少ないですし、推奨していない使い方をされて何かあってもメーカーに責任はありませんからね。

商品レビューの傾向

サプリのメーカー問わず、色々なマカサプリのレビューを見て回りましたが、DHCやファンケルなどの大手メーカーは男性向けに適切な販促をしているためトラブルは少なく、星4つ以上の高評価のユーザーが多数を占めました。

一方あまり知名度のないメーカーは、今回話題にしている「妊活向け」のように、データが不十分な効能も含めた結構ギリギリのラインの販促をしているせいか、賛否がかなり分かれています。

妊活世代に限って言えば割合的には低評価の方が優勢のようですが、私のように初っ端から異変が出る人もいる中、最初の数か月は良くなったように思えたのに、続けているうちに周期がおかしくなってきた…という意見が結構あったのが印象的でした。

逆に高評価をつけているのは、短期間で妊娠などの結果が出てサプリをやめている人がほとんどでした。この人たちも長期継続していたら同じように異変を感じたかもしれません。

各口コミにはユーザーの年代と性別の記載があることが多いので、妊活向けとして判断するには若い世代の女性の評価に注目しましょう。

マカは効果が高いとは思うが、妊活には向かない

すべてのレビューを鵜呑みにはできませんが、内容の良し悪し問わず何らかの作用を感じたという意見が多いということは、マカがそれだけの力を秘めているということです。だからこそ、服用には慎重になる必要があります。

マカのおかげで妊娠できたと思っている人を否定するわけではありません。今までに挙げてきた成分以外にもミネラルやアミノ酸など体に良い成分をたくさん含んでいることは事実なので、たまたま何かの成分が体に合い、妊娠にプラスになる体質改善が起こる可能性もあるからです。

ただ、上述の通りエストロゲン様作用の可能性があり、さらにミネラルやアミノ酸は単体サプリでも摂取できることを考えればあえてマカを選ぶ必要性は薄いです。

最後に、上述した参考サイトの資料から抜粋すると…(10ページ目より)

  • 強い女性ホルモン様物質を含有することから、安易に使用せず、特に妊娠中・授乳中・小児の使用は避ける。
  • 女性ホルモンに影響する医薬品や治療を行っている人が自己判断で安易に使用することは避ける

上記はあくまで、プエラリア・ミリフィカ含有食品に対する注意事項ですが、ここまで説明してきた仮説が正しければ、この注意喚起はマカにも同様に当てはまるはずです。今回私は2番目の注意事項に抵触してしまったことになりますね…

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