1986年(昭和61年)のレトロな「ファンシーカット・イラスト集」

数年前にいろいろなものとセットでたまたま入手した、1986年発行の「ふぁんしーカット・イラスト集」という文庫本をご紹介します。

ここのところ古い雑誌や本の記事・広告画像を参照した記事が続いたため、著作権的にはどうなのかと改めて調べたのですが…一応「引用」という形で、メインは自分が書いた記事であれば大丈夫っぽいものの…引用と転載の解釈は人によっても異なるため、絶対に大丈夫とは言い切れません。

このブログでは新しいものでも10年以上前に廃盤・絶版になっている出版物以外は参照していませんが、著作権は70年間の長きにわたり有効なのでどの媒体も著作権が生きています。80~00年代当時のカルチャーを紹介するための情報源として、節度を守って使用しているつもりですし、またこんな辺境ブログにわざわざ著作権者が指摘してくることもないでしょうが、ご指摘があればごっそり記事を削除することになりそうですね…

さて、ここからが本題です。著者の亀山利明氏のオリジナルキャラクター・デザイン集で、収められたイラストは「非商用で個人利用の範囲内なら使っていいですよ~」というものです。イラストににじみ出る80年代の雰囲気が当時を知る人には懐かしいですよね~当時の子供部屋にあるグッズにはこんな感じのイラストがあふれかえっていました。

本編は130ページほどでイラストが盛りだくさんですが、見開き1ページのみご紹介。当時の私は、よくこんな感じのうさぎの絵を描いていた記憶があります。

ちなみに私の小学校では、給食用に白いテーブルクロスが配布されてそれに各家庭で好きなデザインで刺しゅうをしたり、アップリケをつけたりして持参していました。私のものはカントリー調のハウスと風景の刺しゅうでしたが、それもこのような手芸用フリーデザイン集を活用して作成したものでした。当時のお母さんは大変ですよね…

最後のページには記名欄があります。昭和時代ってとにかく「じぶんのものにはなまえをかきましょう」的な詳細な個人情報記載欄がデフォルトでしたが、血液型欄にRh式の記載まであるタイプは初見ですね。ちなみに昭和30年代の漫画雑誌付録の小冊子にも氏名欄があって、ちゃんと父が自分の名前を書いていました。

さらに余談ですが、実家にある古い横溝正史の小説の一部に、伯父(父の兄、S22年生まれ)の名前と住所がしっかり記入されています。また谷崎潤一郎の源氏物語訳本も実家にあるのですが、それにもうちの祖父(T6年生まれ、故人)のフルネーム印が全巻に押してありました。これらには当然記名欄などないのですが…「なんにでも名前を書く」精神が骨の髄まで染みついている感じです(;’∀’)

こちらは奥付欄です。ここにも今では考えられない「当時ならでは」の要素がもりだくさん。

そのまま公開してはまずいのでモザイク処理済ですが、まず、「本の中のデザインを商用利用したい場合」の連絡先として、著者のご自宅であろう住所が記載されています。ちなみに「○○荘」という昭和感満載のアパートです。どう見ても個人宅とわかる住所がそのまま載っているので、現代の感覚で見るとかなりぎょっとします…

それと、発行元の情報の下部、「落丁本・乱丁本はお取替え致します」という文言の後ろには担当者の個人名の記載があります。クレーム受付窓口みたいなものですから、当時は大変だったでしょうね…Mさん。

私の実家には父親(S30年生まれ)世代が読んでいた雑誌がまだ残っているのですが、読んでみると当時の超人気タレントさんや売れっ子漫画家さんなど、公開しちゃって大丈夫なの?というレベルの人の住所すら普通に掲載されているんですよね。どの年代までこんな感じだったんでしょうね?さすがに私が雑誌を自分で買って読めるくらいに成長した90年代初期には、ここまでの情報公開は行われていませんでした。

80年代テイストのイラスト以外にも、「個人情報?なにそれ?」という昭和日本の個人情報の取り扱い文化の参考にもなるので、こちらをご紹介させていただきました♪

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